家計簿サービス「マネーフォワード」で証券口座の配当金・分配金が収入として計上されない

今回は家計簿サービス「マネーフォワード」に連携している証券口座に配当金や、分配金が入金されても収入として自動計上されない仕様についての対処です。


CONTENTS

1.はじめに
 1.1.事象
 1.2.対処案
 1.3.対処案に対する検討内容
2.手入力実施
 2.1.手入力で登録する内容
 2.2.アプリ版(スマホ)
 2.3.WEB版(パソコン)
3.家計簿入力画面の違い
4.おわりに



1.はじめに

1.1.事象

マネーフォワードで証券口座を連携、且つ当該証券口座で株式の配当金、投資信託・REITの分配金を受け取っていると気付きますが、証券口座で受け取っている配当金、分配金はマネーフォワードで収入として自動計上されません。

上記事象についてマネーフォワードのヘルプで確認すると、仕様のため自動計上は出来ないようになっています。

証券の連携で配当金の収入履歴が反映されない

「マネーフォワード ME」では、証券会社などで運用している資産は、日々の家計の管理には含まれない想定のため、下記の仕組みでご提供しております。

・証券の連携は残高のみの取得、入出金履歴の取得なし
・銀行口座に配当金が振り込まれた場合、銀行の連携で配当金の収入履歴を取得

債権や株式など、資産運用の配当を収入として家計簿に計上されたい場合は、「入金先:なし」で手入力しての管理をご検討ください。

マネーフォワード MEサポートサイト

1.2.対処案

マネーフォワードのヘルプで示されている対処案は以下の二つ

 ①配当金の入金口座を銀行にする
 ②手入力で登録する

二つの対処案のうちどちらを選択するか僕の結論としては、手入力で管理が良いかなと考えています。

理由については次の「対処案に対する検討内容」で記載します。


1.3.対処案に対する検討内容

①配当金の入金口座を銀行にする
大体の人が配当金の受け取り方式に「株式数比例配分方式」を選択していると思いますが、この方式にしていると、株式を保有している証券会社の口座に配当金が入金されるようになります。

この配当金受け取り方式を「登録配当金受領口座方式」に変更することで、配当金が指定した銀行の口座に振り込まれるようになります。

この方法のメリット・デメリットについては以下です。

メリット
配当金の入金が自動で収入としてマネーフォワードで計上できる。

デメリット
NISA口座で保有している銘柄で発生した配当金は「株式数比例配分方式」を選択していないと非課税にならない。


②手入力で登録する
こちらの方法がマネーフォワードのヘルプで提示されている方法です。

これは配当金が発生するたびに、マネーフォワード上で配当金を収入として入力します。

この方法のメリット・デメリットについては以下です。

メリット
特になし。

デメリット
配当金が発生する度に手入力しないといけない。


上記2つの方法に対して、メリット・デメリット、及び僕自身の状況を考慮して検討しました。
「②手入力で登録する」方法はメリットが無く、デメリットしかないのですが、僕の場合はNISA口座でREITを保有しているため「①配当金の入金口座を銀行にする」の配当金が非課税にならないというデメリットが、デメリットとしてあまりに大きすぎました。
そのため、採用する案としては「②手入力で登録する」の一択でした。

僕の場合は「②手入力で登録する」一択でしたが、以下のような人は「①配当金の入金口座を銀行にする」の方法も検討できる余地があります。

  • NISA口座を使っていない
  • NISA口座で配当金の発生する株式(REIT、ETF含む)を保有していないし、今後も保有しない

NISA口座を使っていないのであれば、非課税になるかという観点で配当金受け取り方式を気にする必要はないです。

また、配当金受け取り方式に「株式数比例配分方式」を選択していないと配当金等に対して非課税になりませんが、NISA口座で保有する株式を売却した際の譲渡益(売却益)に関しては配当金受け取り方式に関わらず非課税(※)となるので、NISA口座を使っている人でも配当金(分配金)の発生する銘柄を保有していない人、保有しない人も配当金受け取り方式を気にする必要がありません。

※)SMBC日興証券「よくあるご質問」より



2.手入力実施

実施方法について今回はアプリ版(スマホ)とWEB版(パソコン版)でそれぞれ実施手順を記載します。

2.1.手入力で登録する内容

今回は下図(楽天証券の配当金・分配金履歴画面)の配当金情報を手入力で登録します。

今回登録する配当金(分配金)は特定口座で保有する銘柄で発生しているので税引き後の「受取金額[円/現地通貨]」列の値「25,261」を収入として手入力します。

上記画像をもとに登録する内容をまとめると以下の通りです。

項目項目値
分類1収入
分類2配当所得
日付2022年10月24日
金額25,261円

この情報をもとに、マネーフォワードアプリ版(スマホ)とWEB版(パソコン)でそれぞれ配当金(分配金)情報の入力を実施します。




2.2.アプリ版(スマホ)


手順1.ホーム画面で家計簿入力のボタンをタップ




手順2.「入力」画面が表示されたら「収入」タブをタップ




手順3.「入力」画面が「収入」に切り替わったら登録する情報を入力
【登録情報】
 ①金額:25261円
 ②分類:配当所得
 ③日付:2022年10月24日
 ④内容:2989 東海道リート投資法人 分配金




手順4.情報が入力できたら「保存」ボタンをタップ




手順5.入力完了





情報登録後、ホーム画面>画面下の「家計簿」タブ>「収入」>収入明細の「配当所得」をタップして表示し、「配当所得」の画面で確認した結果、下図のように入力した情報が正しく登録されています。

これでアプリ版マネーフォワードでの配当金・分配金情報の登録は完了です。




2.3.WEB版(パソコン)


手順1.ホーム画面の「収入・振替を入力する」をクリックして「家計簿入力」の画面を表示します。



手順2.「家計簿入力」画面が表示されたら「収入」タブをクリック



手順3.「家計簿入力」画面が「収入」に切り替わったら登録する情報を入力

【登録情報】
 ①日付 :2022/10/24
 ②金額 :25261
 ③分類1:収入
 ④分類2:配当所得
 ⑤内容 :2989 東海道リート投資法人 分配金



手順4.情報が入力できたら「保存する」ボタンをクリック



手順5.入力完了



情報登録後「収入・支出詳細」の画面で確認した結果、下図のように入力した情報が正しく登録されています。


これでWEB版マネーフォワードでの配当金・分配金情報の登録は完了です。




3.家計簿入力画面の違い

今回の記事を作成するにあたって実際に家計簿入力をして気が付きましたが、家計簿入力画面には「入金先」(支出入力の場合は「支出元」)という項目が表示される場合と、されない場合があります。

この違いは「手元の現金・資産」を管理する口座を登録しているかどうかによって発生します。
下図は「手元の現金・資産」を管理する口座を登録している場合と、登録していない場合のホーム画面(WEB版)です。

上図それぞれの状態で「家計簿入力(収入)」の画面(WEB版)を開いて比較すると次のようになります。

このように「手元の現金・資産」を管理する口座を登録している場合には「入金先」の項目が表示されますが、「手元の現金・資産」を管理する口座をひとつも登録していない場合には「入金先」の項目が表示されないようになっていました。
なお、ここではWEB版の画面を使って説明していますが、アプリ版も同様の仕様となっています。

このことからマネーフォワードのヘルプの一文。

「入金先:なし」で手入力しての管理をご検討ください。

マネーフォワード MEサポートサイト

この部分は「手元の現金・資産」を管理する口座「財布(現金管理)」等を登録している人を前提とした記載になっていたことがわかります。

僕は物理マネー「現金紙幣、現金硬貨」を使わず、ほぼキャッシュレスで決済していることから物理マネーは家計簿で一切管理しないという方針を取っています。

そのため「財布(現金管理)」をひとつも登録しておらず、家計簿入力画面で「入金先」という項目を見たことが無かったので、最初にヘルプを見た時に「ん?どういう意味?」ってなりました。



4.おわりに

自動で配当金、分配金を収入として計上できたら楽ではあるけれど、その為に受け取り方式を変更するとNISAの恩恵(非課税)を受けられなくなるのは、デメリットとしてあまりにも大きすぎるので、配当金、分配金は手入力で登録することとしました。

今回は配当金、分配金を収入として管理したいという前提で書いているので、手入力で登録するという結論になりましたが、いっそのこと、配当金、分配金は収入として管理しないという選択肢もあります。

その場合は配当金の受け取り方式を変える必要も、手入力の手間もありません。

配当金、分配金を収入として管理するかしないかは自身の家計管理の方針で判断するのが良いかと思います。

今回は以上となります。
それではまた。