家計簿サービス「マネーフォワード」無料会員の金融関連サービス連携上限が10件→4件に削減される変更への対応

今回は家計簿サービス「マネーフォワード」において発表された「無料会員の金融関連サービス連携上限を10件から4件に削減」という変更への対応についてです。

CONTENTS

1.はじめに
2.対応パターン
 2-1.連携サービスを4つに削減
 2-2.別の家計簿アプリに乗換え
 2-3.別の家計簿アプリとの併用
 2-4.有料会員の権利が貰えるサービスを契約する
3.対応判断ポイント
4.補足
5.おわりに



1.はじめに

2022年11月7日にマネーフォワードMEが「無料版の口座連携数を10件から4件に削減」しますという発表がありました。

■変更日時
2022年12月7日(水)午前 10時00分

無料会員の金融関連サービス連携上限数を以下の通り変更いたします。

・変更前:アプリおよびWEB版での金融関連サービスの連携可能数 10件
・変更後:アプリおよびWEB版での金融関連サービスの連携可能数 4件

※ プレミアムサービスをご利用いただくことで5件以上の連携が可能になります。

マネーフォワード MEサポートサイト

今回は上記変更に対しての対応パターンを記載します。

まず対応パターンとしては以下の5つがあります。
 パターン①連携サービスを4つに削減
 パターン②別の家計簿アプリに乗換え
 パターン③別の家計簿アプリとの併用
 パターン④有料会員の権利が貰えるサービスを契約する
 パターン⑤有料会員へ変更


各パターンの詳細については後程説明しますが、個人的な結論は「⑤有料会員へ変更」でいいと考えてはいます。

僕は派生版マネーフォワード(マネーフォワード for 住信SBIネット銀行)からマネーフォワードMEも含めて6年程有料会員で使っています。

なので、今回発表された変更には影響が無いですが、実際に使ってて有料会員で月500円、年間6000円(※年一括払いなら年間5300円)の価値はあるんじゃないかなと思っています。

ただ、今回は家計簿アプリを無料で使いたいと考えている方を想定しているので、「パターン⑤有料会員へ変更」は対応パターンから除外して考えます。

ではパターン⑤を除外して僕自身が無料会員だったらどうするかの結論としては「パターン①連携サービスを4つに削減」が一番シンプルでいいかなと考えています。
とはいえどういう選択するかは人それぞれなので、今回はそれぞれのパターンについて記載しようと思いました。



2.対応パターン

「はじめに」で書いた対応パターンのうち①~④までのパターンについて、それぞれ詳細を記載します。

2-1.連携サービスを4つに削減

無料のまま使いたいという人で、一番シンプルなのはこのパターンになります。
現在4つを超えて連携している金融サービスを4つ以下に絞ることで無料会員のままマネーフォワードを使い続けます。

この時、マネーフォワードの機能をどういう目的で使っているかによって連携対象として残す口座の種類は変わってきます。

家計簿アプリを使う目的については以下の2つが想定されます。

  • 家計管理
    日々の支出がいくらあって、何に使っているかを管理することが目的
  • 資産管理
    現在の資産額や、資産推移を把握することが目的


ここでは上記の目的別で例を考えます。
まず、削減前に以下の金融サービスを連携しているとします。


削減前連携サービス
 ①メインの銀行口座(生活費用)
 ②サブの銀行口座(貯蓄用)
 ③メインのクレジットカード(VISA)
 ④サブのクレジットカード(JCB)
 ⑤メインの証券口座
 ⑥メインの電子マネー(コード決済(※))
 ⑦携帯
 ⑧通販

 ※D払いや、au pay、LINE payなど

ここから目的別に削減した例が以下となります。


「家計管理」を目的に使っている場合の連携サービス例
 ①メインの銀行口座(生活費用)
 ②メインのクレジットカード(VISA)
 ③サブのクレジットカード(JCB)
 ④メインの電子マネー(コード決済)

家計管理がしたい場合は、日々の支出・取引を記録したいので買い物の記録としてクレジットカードを主に連携します。

サブの銀行口座(貯蓄用)と証券口座は家計の管理(支出の管理)とは関連性が薄いので、連携対象外にしてしまいます。

携帯と通販はクレジットカードで決済していれば、クレジットカードの連携で記録されるので連携対象外にしてしまいます。

クレジットカードは1枚しか使ってないという人は連携数が3つで足りてしまうので、残り1枠は好きに使えます。

「資産管理」を目的に使っている場合の連携サービス例
 ①メインの銀行口座(生活費用)
 ②メインの証券口座
 ③メインの電子マネー(コード決済)
 ④サブの銀行口座(貯蓄用)

資産管理がしたい場合は、資産額、資産推移がわかればよいので銀行口座と証券口座を主に連携します。

取引の記録(履歴)となるクレジットカードを連携対象外にしています。

携帯・通販もクレジットカードと同様の理由で連携対象外です。

なお、メインの電子マネーもチャージ方式ではなく、登録したクレジットカードで決済する方式なら残高もないし取引記録もクレジットカードの記録で連携できるので、どちらの目的でも連携対象外にできます。


上記に示した例は「家計管理」「資産管理」いずれかの目的に合わせて連携数を削減する例を示しましたが、これはどちらか一方の目的を”諦める”という考え方です。

2つの目的両方を満たしつつ無料会員のまま使うとなると、利用している金融サービス自体を削減し最適化する必要があります。

最適化した連携サービス例
 ①メインの銀行口座(生活費+貯蓄)
 ②メインの証券口座
 ③メインのクレジットカード(VISA)
 ④サブのクレジットカード(JCB)

まず銀行口座は生活費+貯蓄でひとつにまとめて連携します。

取引の記録としてクレジットカードはメインとサブの両方を連携します。

電子マネー(コード決済)はチャージ方式でなくクレジットカード決済方式だけで使う前提とし連携対象外にします。

これで連携数を4つに削減しつつ「家計管理」「資産管理」両方の目的を満たすことができます。



2-2.別の家計簿アプリに乗換え

家計簿アプリは「マネーフォワード ME」以外にもたくさん存在しています。

その中から「マネーフォワード ME」以外の家計簿アプリに乗り換えてしまおうというパターンです。


その際の乗り換え先として有名どころと、よさそうなものにを挙げると以下があります。

①Moneytree(マネーツリー)
②Zaim(ザイム)
③おかねのコンパス
④金融機関向けマネーフォワード

①と②は有料版もありますが、基本的にいずれも無料でも利用することが出来ます。のと無料での連携サービス数に制限がないものです。

実際どれがいいかは人によりますが、判断の材料としてそれぞれの紹介をします。
今回は無料で家計簿アプリを使いたいという人向けの対応パターンとなっているので、無料版をメインに考えて紹介します。

①Moneytree(マネーツリー)
有料版と無料版がありますが、無料版の制限が少ないというのが特徴です。

今回マネーフォワードMEで変更となった口座連携数ですが、Moneytreeでは無料版でも連携数に制限がありません。またデータ保存期間も無制限となっています。

データ保存期間無制限はマネーフォワードMEだと無料版では1年前までしか遡れないのでこの点ではマネーフォワードMEの無料会員よりも良い点です。

ただ楽天銀行は連携対象外となっているので、メインの銀行口座を楽天銀行にしている人には向きません。

②Zaim(ザイム)
こちらも有料版と無料版があります。

Moneytree同様、無料版でも連携サービス数に制限はないですが、無料版の制限で気になる点としては、連携サービスの情報更新頻度です。

有料版であれば手動で更新することが可能ですが、無料版の場合は連携タイミングをZaim側におまかせすることになります。

連携しているサービスによっては最長12日間は更新されないこともあります。

口座残高についてはたまにでいいよという人にはいいですが、資産管理をメイン目的として家計簿アプリを使っている人には向きません。現時点で最新の資産額を把握したいと思った時に最新の情報が見れないですから。

③おかねのコンパス
こちらは無料会員のみなので完全無料で使える家計簿アプリです。

連携サービス数無制限、データ保存期間も無制限。

開発にマネーフォワードも協力しており、元々マネーフォワードを使っていた人には安心感がありそうです。

気になる点としては以下の3点です。

  • レシート読み取り機能がない
  • WEB版が無い
  • 現金管理機能が無い

まだ数日ですが、実際にインストールして使ってみて正直これもアリかなと思いました。

ただ、僕の場合は毎月一回の家計改善(収支把握と資産把握した情報をもとに支出の見直しを行う)の際はパソコンでやっているので、個人的には「②WEB版が無い」はかなりデメリットに感じました。

④金融機関向けマネーフォワード
最後にマネーフォワードの派生サービス「金融機関向けマネーフォワード」です。

こちらは、今回のマネーフォワードMEの変更が適用されていないので、これまで通り金融サービスを10件まで連携できます。

基本的に本家のマネーフォワードMEと機能は同じなので、マネーフォワードを使っていた方にはいい乗り換え先かもしれません。

ただし、今回の本家マネーフォワードでの変更が、今後金融機関向けにも適用される可能性もあるので微妙なところです。
金融機関向けマネーフォワードのデメリット、本家マネーフォワードMEとの違いについては、以前「家計簿サービス「マネーフォワード」-MEと金融機関向け どっちを使ったらいいか-」で書いています。



2-3.別の家計簿アプリとの併用

少し面倒な方法になりますがこれは先に紹介した以下2つのパターンを合わせたパターンです。

 パターン①連携サービスを4つに削減
 パターン②別の家計簿アプリに乗換え

これまで使っていたマネーフォワードの連携サービス数を4つに削減して使いつつ、別の家計簿アプリも合わせて使うというものです。

別の家計簿アプリはどれでも好きなのでいいですが、マネーフォワードで連携するサービスをどれにするかが人によって変わってきます。

マネーフォワードに連携するサービスをどれにするかは「2-1.連携サービスを4つに削減」で記載した目的別で連携するサービスを選択する考え方で選べばよいです。

別の家計簿アプリに連携するサービスは、マネーフォワードで連携を継続する4つと重複した全てを連携するか、マネーフォワードで削減した分だけを別家計簿アプリに連携するかのどちらかになるかと思います。

2つのアプリを同時利用して管理なので正直ちょっとめんどくさそうですが、使い慣れたマネーフォワードを継続しつつ「家計管理」「資産管理」両方の目的も満たす方法なので悪くはなさそうです。

めんどくさそうですが。



2-4.有料会員の権利が貰えるサービスを契約する

これは無料会員ではなく、有料会員の権利を実質無料で使うというパターンです。

以下のサービスを利用するとマネーフォワードMEを有料会員として使う権利を(タダで)貰うことができます。

  • マネーフォワード ひかり
  • マネーフォワード 電気


なお「マネーフォワード 電気」は現在、新規お申込み受付停止(マネーフォワード 固定費の見直し 電気サービス』新規お申込み受付停止のお知らせ)しているので、この方法をとるには「マネーフォワード ひかり」しか選択肢が無い状態です。

ただもともと「マネーフォワードひかり」を使っている人はいいけれど、マネーフォワードを無料で使うためにネット契約を変えるか?というと正直疑問なので、こういう方法もあるよ。という程度で紹介しました。



3.対応判断ポイント

対応判断のポイントとしては以下の点について、「パターン①連携サービスを4つに削減」の項で書いた内容と重複しますが、自分の目的を把握する必要があります。

  • 家計管理
  • 資産管理

家計管理、資産管理のいずれか一方だけが目的である、または使用している金融サービスが最適化できていれば連携サービス数は4つでも十分そうですが両方となると、連携サービス数4つでは足りない人も少なくないです。Twitterでの反応をみてた印象ですが。


上記の家計簿アプリを使う目的という観点以外では、自分にとってどの機能が必要か、どの機能を普段使っているのかがもうひとつのポイントになると思います。



4.補足

ここでは今回の記事で気になりそうかな?と思った点についてQA形式で補足します。


Q1. スマホに2種類のアプリを入れて不具合があったりお互いが干渉したりしない?

A1. 特に不具合なく使えます。
今回の記事を書くに当たり、実際に以下5個の家計簿アプリを一台のスマホに入れて試してみましたが問題なく使えました。

 ①Moneytree
 ②Zaim
 ③お金のコンパス
 ④マネーフォワード for 住信SBIネット銀行
 ⑤マネーフォワード ME




Q2. 無料会員で10件(5件以上)金融サービスを連携してた人はどうなるの?

A2. 12月7日 10時以降にマネーフォワードを開くと、削減する金融サービスを選択する画面に遷移します。
実際に連携サービス数が4を超える無料会員で、12月7日の10時以降に画面を開いたら下図のような画面が表示されます。


「4件に絞って無料で利用する」のボタンをタップすると、連携中のサービス(口座)一覧が表示されます。
ここで4つ選択して「選択した口座を残す」ボタンをタップすると、選択した口座だけが残ってマネーフォワードの画面が起動します。




Q3. 選択しなかった口座はどうなるの?

A3. 無料会員の状態では表示されませんが、有料会員に変更すると再表示されます。

口座選択の際にこの旨は記載されています。



5.おわりに

今回は対応パターンを複数書きましたが、はじめにでも書いた通り僕個人の結論としては「パターン①連携サービスを4つに削減」が良いと考えています。その中でも、「家計管理」「資産管理」両方の目的を満たす例が僕自身にあてはめた最適解です。

結論に対して「僕の場合でもし無料会員でマネーフォワードを使う為に連携サービス数を4つに削減するなら」という状況で具体例を示します。


僕がマネーフォワードの有料会員で連携しているサービスは以下の6つです。
 ①楽天銀行(生活費+貯蓄)
 ②楽天カード
 ③楽天証券
 ④楽天市場(楽天キャッシュ+楽天ポイント)
 ⑤住信SBIネット銀行
 ⑥SBI証券


現在連携している6つから、4つに削減するとしたら以下のようにします。
 ①楽天銀行(生活費+貯蓄)
 ②楽天カード
 ③楽天証券
 ④楽天市場(楽天キャッシュ+楽天ポイント)


楽天市場(楽天キャッシュ+楽天ポイント)を連携対象としているのは、楽天サービスを割と使っているので楽天ポイントが結構溜まるのと、僕がラクマで不用品を売っておりラクマの売り上げ金を楽天キャッシュにチャージ(※)している為です。

※楽天市場を連携すると、楽天キャッシュ残高と楽天ポイントの情報が記録されます。

削減した⑤と⑥は昔の名残(昔はSBIメインで使っていた為)で現在はほぼ使っていないので、もともと連携数は4つで足りている状態でした。


上記の通り、無料会員だったとしても今回の変更による影響はなく、無料会員でいいんじゃない?と思われそうなところです。

それでも有料会員にしているのは以下の4つが理由です。
 ①資産推移のグラフ
 ②一括更新ボタン
 ③過去データの保存期間無制限
 ④画面レイアウト・デザインが見やすい

なかでも「①資産推移のグラフ」が一番お気に入りです。
というのも家計改善のモチベーションを保つのに「資産推移のグラフ」が思いのほか役立ったからです。

右肩上がりの資産推移グラフを見ているのは楽しいもので、世にあるどんなエンタメより断然楽しいと思います。(拝金主義者か!って言われそうですけれど)

この「楽しい」が家計改善のモチベーションに大きく寄与したので、この機能のために有料会員を続けています。
もちろん他の機能も役に立っているので総合してマネーフォワードの有料会員を選んでますけれど。

この「家計改善を楽しむ」が僕にとって家計改善を続けるうえで重要な要素かなと思います。

今回は以上です。
ではまた!