ブラインドタッチ(タッチタイピング)を1日で習得する方法

いつもお世話になっております。
RfromL.comです。

今回はブラインドタッチ(タッチタイピング)を1日で習得する方法についてです。

CONTENTS

1.はじめに
2.事前準備
 2.1.準備①「ローマ字を覚える」
 2.2.準備②「入力しやすいキーボードを使う」
 2.3.準備③「爪を切る」
3.習得時のポイント
 3.1.ポイント①「ホームポジション」
 3.2.ポイント②「バックスペースの位置を覚える」
 3.3.ポイント③「各指の担当文字を覚える」
 3.4.ポイント④「キーを押す時はキーボードを見ない」
4.習得の流れ
 4.1.練習①「ホームポジションに指を置く」
 4.2.練習②「ホームポジション時の各指の文字を覚える」
 4.3.練習③「各指の担当する文字を覚える」
 4.4.練習④「母音の入力を覚える」
 4.5.練習⑤「五十音を覚える」
 4.6.練習⑥「濁音・半濁音・拗音を覚える」
 4.7.練習⑦「促音・書き小文字を覚える」
 4.8.練習⑧「単語を含めた促音を覚える」
 4.9.練習⑨「自分の名前を入力してみる」
 4.10.練習⑩「文章を見ながら入力する」
 4.11.あとはとにかく実践
5.ブラインドタッチが出来ることによるメリット
 5.1.パソコンでの作業速度が速くなる
 5.2.文字入力速度が安定する
6.ブラインドタッチにまつわるあれこれ
 6.1.SEはブラインドタッチが必須か?
 6.2.ブラインドタッチは文字入力は早くなるか?
7.おわりに


1.はじめに

今回記載する内容は僕が実際にブランドタッチを練習した時のことを思い出しながら書いたものなので一応実績のある方法です。

どんな理由でブラインドタッチを習得しようと思うかは人それぞれかと思いますが、僕の場合は危機感だったと思います。
僕がブラインドタッチを練習した当時は大学を卒業し新卒でIT企業に入社したばかりの頃でした。
当然、入社時点ではブラインドタッチはできませんでした。
同期入社の社員でもブラインドタッチが出来る人はいなかったので、別に出来なくても普通かなと思っていたのですが入社1週間で社外の現場に参画してみると、そこの現場ではブラインドタッチができない人がいませんでした。
「これは僕もできないとまずいんじゃないか?」と思ったのがブラインドタッチを習得するきっかけでした。

僕の場合は新卒入社直後なので22歳の頃に習得しましたが、習得時期は早いに越したことはないですし、習得の難度は高くないので学生のうちに習得してしまった方が良いです。

今になって思えば、こんな簡単に習得できるなら入社前に練習しておけばよかったなと感じています。


2.事前準備

ブラインドタッチを習得するうえで事前に準備しておくことは以下の3点です。

準備①ローマ字を覚える
準備②入力しやすいキーボードを使う
準備③爪を切る

それでは、それぞれ説明していきます。

2.1.準備①「ローマ字を覚える」

今回の記事で紹介する方法で習得する前提となりますが、ローマ字の読み書きができる事が必須です。
というのもパソコンでの文字入力には以下2種類ありますが、SEの場合はコーディングする機会も多いので、英字の入力もできるよう文字入力はローマ字変換で入力します。

  • 「ローマ字入力」
    ローマ字変換で日本語を入力する方法
  • 「かな入力」
    キーボードのキーに記載されている「あいうえお」に従って直接日本語を入力する方法

「かな入力」という存在は知識として知ってはいますが、これまでの人生で「かな入力」している人にを見た事がありません。僕は社会人になってからほとんどIT業界だったために知らないだけで、もしかしたらIT業界以外の業界に「かな入力」を扱う人が居るのかもしれません。

ただ、ローマ字入力に比べ「かな入力」できる人は入力速度が速いという話は聞きます。
例えば、ひらがなの「は」を入力する時「ローマ字入力」では「H」キーと「A」キーの二つキーを押しますが、「かな入力」では「は」キーの一つのキーだけを押せば入力できるため、同じ文章を入力した場合、押すキーが少ない分「かな入力」の方が入力速度が早くなるというものです。

とはいえ、SEの場合はローマ字変換で入力するので、かな入力は覚えなくてよいと考えています。

ローマ字表を張っておきますので、ローマ字の読み書きが出来ない場合は、先にそちらの学習をしましょう。

2.2.準備②「入力しやすいキーボードを使う」

これは必須ではないですが、出来れば入力しやすいキーボードを使った方がいいです。
ブラインドタッチに慣れてくれば、キーボードが変わっても多少打ちにくいなと思いつつも文字入力はできますが、まだブラインドタッチに慣れてないうちに入力しずらいキーボードを使っていると習得も難度が上がってしまいます。

今使っているキーボード、またはノートパソコンのキーボードが入力しやすいものであれば問題ないです。
既にノートパソコンを持っていて、持っているノートパソコンのキーボードが入力しにくいなぁと感じている場合、外部キーボードで入力しやすいものを別途用意してノートパソコンに接続するのもいいと思います。

基本的には極端にサイズが小さいキーボードでなければ、よっぽど入力しにくいということはないで、最初はそこまでキーボード選択に時間かける必要はないです。
キーボード入力にも慣れてくると使うキーボードに拘りも出てくるので、その時にまた購入しなおせばよいです。
のちのちこだわりを持って買うことを想定して、最初はエレコムかロジクールとかの安いやつでも十分です。


エレコム ワイヤレスキーボード TK-FDM110TXBK

キータイプメンブレン
電源単4電池1本
接続方式無線接続 USBレシーバー方式


ロジクール ワイヤレスキーボード K275

キータイプメンブレン
電源単4電池2本
接続方式無線接続 USBレシーバー方式


上記は2つはいずれもワイヤレスタイプ(USBレシーバー方式)で価格も2000円しないですが、値段の割に打鍵感は悪くないです。静音タイプではないので、多少の打鍵音はあります。
安いキーボードならのちのちこだわったキーボードに買い替えるとなった時も気持ち的に乗り換えやすいです。

ワイヤレスに関してはBluetooth接続方式の方がUSBポートを消費しなくて済むのですが、少し高くなります。
エントリー的に使うという感じではこのキーボードで良いと考えていますが、2台目以降でこだわってキーボードを買う際はBluetooth接続方式のものを選ぶことをお勧めします。

2.3.準備③「爪を切る」

理由は簡単で爪が伸びていると、爪がキーにあたってキーボード入力しにくいので、ブラインドタッチ練習中は爪を切っておいた方がいいという内容です。

女性のピアニストも爪は長く伸ばさない人が多いらしいので、パソコンキーボードではなく楽器の鍵盤という違いはありますが、爪が伸びているとキー入力しにくいのは確かです。


3.習得時のポイント

ブラインドタッチを習得する時点でのポイントは以下の通りです。

①ホームポジションを覚える
②バックスペースの位置を覚える
③各指の担当文字を覚える
④キーを押す時はキーボードを見ない

ここではそれぞれのポイントについて詳しく解説します。

3.1.ポイント①「ホームポジションを覚える」

基本中の基本であると同時に、一番重要なポイントです。
「ホームポジション」はこれからキーボード操作をします!という時、キーボードのこの位置に手・指を置く場所です。

ホームポジションの位置をキーボードの図で表すと以下の通りです。

図を文章で説明すると

A:左手の小指
S:左手の薬指
D:左手の中指
F:左手の人差し指

J:右手の人差し指
K:右手の中指
L:右手の薬指
+:右手の小指

この位置がホームポジションです。

キーボードを見なくてもホームポジションに手を置けるように、キーボードの「F」キーと「J」キーには以下写真のようにでっぱりがついています。

このでっぱりは形や大きさの違いはありますが、どのメーカーのどのキーボードであっても必ずついています。これを目印に右手・左手の人差し指を置くことでホームポジションの位置に自然と左右の他の指も置くことができます。

最初のうち、ブラインドタッチの練習中は1文字入力するたびに必ずこの位置に指を戻して、ホームポジションを手に覚えこませてください。
例えば右手人差し指で「U」キーを押したら、すぐに「J」キーの位置に指を戻します。

慣れてきたら1文字入力のたびではなく、入力の区切りごとにホームポジションに戻すようにします。

3.2.ポイント②「バックスペースの位置を覚える」

ホームポジションを覚えたら、次は「BackSpace」(バックスペース)キーです。
「BackSpace」(バックスペース)キーの位置は以下図の通りです。

キーボードによってキーの大きさが違ったり、キーとキーの間の隙間が違ったりとホームポジションからの距離はキーボードによって多少の差異がありますが、位置としては「Enter」(エンター)キーの真上に位置していることは全てのキーボードの共通位置となっています。

「BackSpace」(バックスペース)キーのを押す指は「右手の小指」ということになっていますが、「右手の薬指」で押す人も多いです。実際僕も薬指で押しています。

ブラインドタッチの習得に際して、最初のうちは入力間違いが多発するので、すぐに消して打ち直せるようにホームポジションからの位置を覚えます。
ホームポジションの解説で文字を入力したらすぐにホームポジションに戻すようにする。と記載しましたが、「BackSpace」(バックスペース)キーも同様で、消したい文字を「BackSpace」(バックスペース)キーで消した時もすぐにホームポジションに戻せるよう、位置関係を手・指に覚えこませます。

3.3.ポイント③「各指の担当文字を覚える」

キーボードで文字を入力する際は、キーごとに押す指が決まっています。
各指の担当する文字のキーは以下図の通りです。

ホームポジションに指を置いた時の指の文字から、各指の上下が主に担当範囲となっています。
人差し指や、右手の小指は担当範囲が広いですが、まずは文字入力にかかわるアルファベットのキーを覚えましょう。
各キーを決まった指で押すことで、キーボードを見ないでも文字入力することができるようになります。

3.4.ポイント④「キーを押す時はキーボードを見ない」

最後のポイントは「キーを押す時はキーボードを見ない」です。
習得の際のポイントとして、「とにかく前をみてキーボードを一切見ないようにする」という意見もありますが、1日で習得する際にはまだ各キーの位置を把握できていないので入力しようとしてわからなかった文字は「キーボードを見ても良い」と考えています。
ただし、キーの位置を把握する為にキーを見てもいいですが、押そうとしていたキーの位置をぱっと見てわかったらすぐに視線をモニターに戻して、キーボードを見ないで打つようにしてください。

例えば「M」キーを押そうとして、「あれ?Mってどこだっけ?」って思ったら、キーボードを見て位置を確認します。この時ホームポジションの「J」キーから人差し指は動かさず、視線をモニターに戻してから、「J」キーから人差し指を動かして「M」キーを押すようにします。

これは「キーボードを見ながら押さない。」という癖をつけるためです。

「キーボードを一切みないようにする」というポイントは、ある程度入力に慣れてきてからで良いです。


4.習得の流れ

ここからは、実際にブラインドタッチを習得する際の流れについて解説します。

練習入力に使用するアプリは何でもよいです。
一番簡単なのはWindows標準で使用できる「メモ帳」があるのでそれを使うとよいです。
既にお気に入りのエディタがあればそちらをお使いください。

「メモ帳」の開き方は以下の通りです。

(1)「Windowsマーク」キーと「R」キーを同時押しして「ファイル名を指定して実行」ウィンドウを表示します。



(2)「名前(O):」の入力欄に「notepad」と入力して「Enter」キーを押します。



(3)「メモ帳」が起動します。

これで練習入力するアプリ「メモ帳」が立ち上がったので、実際に入力して練習していきます。

4.1.練習①「ホームポジションに指を置く」

まずはホームポジションに指を置きます。

左手の人差し指を「F」キーに、右手の人差し指を「J」キーに置きます。
すると、左手は中指が「D」キー、薬指が「S」キー、小指が「A」キーに。
右手は中指が「K」キー、薬指が「L」キー、小指が「+」キーの置かれることを確認します。
親指はスペースキーの左右の端に置くとされていますが、浮かせたままでもいいです。

一度おいてみたら、キーボードから手を完全に放します。
もう一度、ホームポジションに手を置きます。
これを数回繰り返してみて、キーボードから手を離していた状態からすぐにホームポジションに手・指を置くことが出来るようにします。

4.2.練習②「ホームポジション時の各指の文字を覚える」

ホームポジションに手・指をすぐにおけるようになったら、ホームポジションに置いた時に指がおかれている位置の文字を覚えます。

ホームポジションの時に押せるキーは8つです。
8つぐらいであればすぐに位置を覚えられると思うのでまずは暗記します。

次に実際に「A」「S」「D」「F」「J」「K」「L」「+」のそれぞれ一字をランダムで頭に思い浮かべてキーボードを見ないで打っていきます。

例えば「J」を押す。と頭で考えて、右手人差し指のキーを押して「J」を入力します。
次に「S」を押す。と頭で考えて、左手薬指のキーを押して「S」を入力します。
これを、各キーでランダムで繰り返して、一通り指とキーの組み合わせを頭と指、両方に覚えこませます。

間違えたら、すぐにバックスペースで消して、打ち直します。

4.3.練習③「各指の担当する文字を覚える」

ホームポジションの際に指の置かれているキーの文字を把握出来たら、各指の担当する文字を覚えます。
ポイント③「各指の担当文字を覚える」で示した担当範囲の図では、記号も含めて提示していましたがまずは文字入力にかかわるアルファベットと、入力確定のEnter(エンター)、文字削除の「BackSpace」(バックスペース)を覚えましょう。

ここで覚える文字・キーは以下図の通りです。

アルファベットのキーだけで言えば、覚えるキーの数はA~Zまでの26個です。
このうち「A」「S」「D」「F」「J」「K」「L」の7つはホームポジションのキーなので、新たに覚えなければならないアルファベットのキーは19個です。

左手小指「Q」~「Z」、左手薬指「W」~「X」、左手中指「E」~「C」、左手人差し指「R」~「B」から右手人差し指「Y」~「M」、右手中指「I」~「K」、右手薬指「O」~「L」、右手小指「P」までを順番に何周か打ってみて、指と文字を覚えると同時に、指の動きも慣らしていきます。

この時点では全てのキーの位置を完全に覚える必要は無くて、なんとなく覚えながらで良いです。
まったく覚えてないのと、なんとなくでも覚えておくのとでは、キー入力中の思い出せ具合にかなり差がでます。

4.4.練習④「母音の入力を覚える」

「母音」つまりは「あいうえお」です。
ローマ字入力の場合、「か」は「K」と「A」の2キーで表すように1音を複数のキー入力する必要がありますが「母音」であれば、「あ」なら「A」のように、1音を表すのに1キーで済むので覚えやすいです。

右利きの人なら右手側のキー「ういお」(Uキー、Iキー、Oキー)から、左利きの人なら左手側のキー「あえ」(Aキー、Eキー)から練習すると覚えやすいです。

たった5キーなのでここでは完全に覚えるまで何度でも入力して、指と位置を叩き込みましょう。
またこの練習の時も、1字ずつ指を動かしてホームポジションに戻してを繰り返して、1字入力したらすぐホームポジションに戻ることでホームポジションからの各キーへの指の移動を慣れさせます。

4.5.練習⑤「五十音を覚える」

「あいうえお」の入力を覚えたら、「あいうえお」も含めて五十音を繰り返し入力します。

特に回数に決まりはないですが、目安として5周ぐらい行います。
この時点では一個一個頭で思い浮かべたキーを押すことになるので時間がかかっても大丈夫です。

4.6.練習⑥「濁音・半濁音・拗音を覚える」

五十音が大体入力できたら、次は「がぎぐげご」などの濁音、「ぱぴぷぺぽ」などの半濁音、「きゃきゅきょ」などの拗音を覚えます。

覚える際の流れとしては、濁音を3周やったあとに、半濁音3周、拗音を3周のように濁音、半濁音、拗音それぞれ別々に繰り返し入力して覚えます。

濁音、半濁音、拗音を全部5周やっていると時間がかかって飽きてしまうので、3周ぐらいにしていました。

ここまでくると、アルファベットのキー位置を大体覚えれる頃なので、ローマ字がわかっていれば、ある程度入力できるかと思います。
それでも忘れたキーは「習得のポイント」でも書いた通り、キーボードを見て位置を確認し、画面に目線を戻してから打てば良いです。

4.7.練習⑦「促音・書き小文字を覚える」

促音は「っ」(小さい「つ」)の事。書き小文字は「ぁぃぅぇぉ」や、拗音で使われる「ゃゅょ」「ゎ」などの小さい文字です。

これに関しては使う頻度はそんなに多くなく、極論言うと知っていれば入力できるので、練習しなくてもいいくらいです。

上図をみてわかる通り小さい文字で入力したいひらがなのローマ字の前に「L」キーを入力することで表現出来ます。

「L」キーの変わりに「X」キーでも同様の表現が出来ます。

僕は「L」キーを使っていますが、どちらでも同じなので打ちやすい方を使えばよいです。

4.8.練習⑧「単語を含めた促音を覚える」

促音はローマ字入力する際の1文字目のアルファベットを2回入力することで表現できます。
以下図は「かきくけこ」それぞれの前に促音をつける場合です。

促音「っ」については、単体で入力することはあまりなくこちらの入力方法を使うことが殆どです。

これに関しても、覚える事は特になく知っていれば入力できるので特別練習する必要は無く、いくつか入力してみるだけでよいです。

4.9.練習⑨「自分の名前を入力してみる」

ここまでくると一通り入力できるようになっているのでまずは良く入力しそうな文字列として、自分の名前を10周練習してみます。

ここでは例として「やまだたろう」としていますが、実際は自分の名前で練習します。

とりあえず自分の名前だけでもブラインドタッチでスムーズに入力できるようになると、ブラインドタッチできてる!っていう実感がわいてきます。

この気持ちが練習を継続する足掛かりになります。

4.10.練習⑩「文章を見ながら入力する」

適当なネットの記事でもいいので文章を見ながら入力する練習を行います。
本やチラシなどの紙に書かれた文字でもいいですが、画面上でみれた方が入力しやすいです。
習得はじめは出来るだけ入力しやすい状態で練習したほうがいいので、個人的には画面に写したものを書き写すという練習が良いと思います。

以下画像のように画面の上に書き写す文章のウィンドウを表示して、下側にメモ帳を表示しておきブラインドタッチで書き写していきます。

習得の初期を想定しているので、漢字変換なしでひらがなのまま入力しています。
日本語文章の入力において漢字変換は必須なので、後々のことも考えて漢字変換してしまってもいいです。

また、記号等もこの時点では無視しています。記号については練習するうちに少しずつ入力できるようになればよいので最初のうちは、記号部分については「キーボードを見て位置を把握して画面を見ながら打つ」とすると良いです。

ここまで来たら、この「色んな文章を書き写す練習」を繰り返す。という流れです。

4.11.あとはとにかく実践

前項までの練習を1日かけてやれば、習得自体は完了ですが習得したてなので1夜明けると多少忘れてます。なので1日練習した翌日以降はひたすら実践して忘れないうちに再度思い出します。
「少し忘れる」→「実践して思い出す」→「少し忘れる」→「実践して思い出す」を繰り返すことで、習得したブラインドタッチを徐々に定着させます。
また、ここからは文章を書き写すのではなく、自分の頭で考えた文章をブラインドタッチで入力します。

業務で使う場合は、入力全てを習得したばかりのブラインドタッチで行うと時間がかかり過ぎて業務に支障をきたす可能性があるので短文を入力する場合やメールなど、多少急ぎでない文章入力で実践します。
急ぎの文章に関しては、ブラインドタッチに拘らず入力してしまいます。

最初のうちは「ブラインドタッチ」と、「キーボードを見ながら入力」を併用する感じで慣れていき、徐々にブラインドタッチの比率を増やしていきます。

僕の時の実績としては大体1週間ほどで、文章入力に関しては全てブラインドタッチに置き換わったので1週間実践すればほぼ完全にブラインドタッチが定着すると思います。


5.ブラインドタッチが出来ることによるメリット

ここまで記載した通り、ブラインドタッチを習得するには練習が必要です。
わざわざ練習してまで習得するくらいなのでそれだけブラインドタッチにはメリットがあります。

ここではブラインドタッチが出来ることによるメリットを紹介します。

5.1.パソコンでの作業速度が速くなる

一つ目のメリットですが「文字の入力速度」ではなく「作業速度」であることに注意です。
文字の入力速度については正直あまり変わらないと思います。

ですが、ホームポジションを覚えることで、文字入力以外のショートカットキーや、単キーでの操作(「F1」~「F12」キー、Home、End、PageUp、PageDown etc…)などの周辺キー操作もキーボードを見ないで操作ができるようになります。

これによって、作業に使うキーと文字入力キーが複合する操作で間(ま)が少なくなり、作業全体の速度アップにつながります。ショートカットキーや、単一での操作キーを知っておくことが前提になりますが、仮にブラインドタッチが習得できなかったとしても、ホームポジションだけでも覚えておくと、作業にかかわるキー操作はしやすくなるのでホームポジションは文字入力だけでなく、キーボード操作にとってとても重要なものです。

5.2.文字入力速度が安定する

二つ目のメリットは「文字入力速度が安定する」ことです。

キーボードを見ながら入力する人でも、長年パソコンを使っていれば十分早い人がほとんどですが一旦キーボードを見るという動作が入る人が多い為か、入力がひと段落する合間合間に止まったりすることが多かったです。
視線だけでキーボードを見れば体の動作なく入力できると思われるかもしれませんが、SEという職種で考えると1日中キーボード操作を行います。
長時間作業していると、どうしても顔全体の角度を下に向けてしまうようです。

SEのように1日中キーボード操作を行う場合は、トップスピードよりも1日を通してどれだけ安定した速度で入力できるかの方が重要です。

5.3.入力ミスにすぐ気づける

三つ目のメリットは「入力ミスにすぐ気づける」ということです。
キーボードを見て画面をみないで入力していると、文章の最初の方で入力ミスがあったとしても、入力が済んで画面を確認するまで間違いに気が付けないです。カーソルを移動して間違ったところだけを直せばいいだけですが、入力ミスのあったところまでカーソルを戻すという時間が蓄積すると案外時間を要してしまいます。

ブラインドタッチで入力していると画面を常にみているので、入力ミスにリアルタイムで気づけてすぐに訂正できるため、入力ミスのあったところまでカーソルを戻すという時間を省くことができ、結果的に入力速度を安定させます。


6.ブラインドタッチにまつわるあれこれ

今回の記事はブラインドタッチを習得する方法についての内容でしたが、ここでは実際に習得してから長年業務でパソコンを操作してきたことで感じたことを書いてみます。

6.1.SEはブラインドタッチが必須か?

結論から言うと「出来ないよりはできた方がいいけれど必須ではない」と考えています。

SEでもブラインドタッチができない人もいますし、ブラインドタッチができないからといって優秀ではないかというとそうとも限りません。

実際僕が新卒で入社した時、二つ上の先輩にブラインドタッチができない人がいました。
ではその先輩が優秀ではなかったかというと、寧ろ仕事のできる優秀な人です。
業務中、コーディング、文章入力時はキーボードをがん見で入力して、入力が終わったら画面みて。
間違っていると「あ、間違えた」と言って、またキーボードをがん見で再入力してました。
ですので、かならずブラインドタッチが出来なければいけないということはないと思います。

この先輩は僕と同い年で専門卒でしたが情報処理系の専門学校出身だったので、パソコンやプログラムについては僕より全然詳しかったです。

このことからブラインドタッチはいつのまにかできるものというものではないということがわかります。情報処理系の学校を出てパソコン、プログラミング、ITに詳しい人でも、意図的に練習しないとブラインドタッチは身につかないもののようです。

6.2.ブラインドタッチは文字入力が早くなるか?

個人差があるかもしれませんが「あまり変わらない。」と感じています。
メリットの項で書いた内容と少し被りますが、ブラインドタッチで得られるメリットは文章入力単体での速度よりも、パソコンでの操作・作業全般が速くなる傾向にある点です。

また、元々キーボード見ながらの入力で入力速度がそれなりに速かった人の場合、ブラインドタッチ習得直後はキーボードを見ながら打つ場合に比べてだいぶ遅くなります。

そういった人がブラインドタッチで元の速度(キーボードを見ながらの入力速度)に戻すまでは、1日ではほぼ不可能だと思います。
僕の場合だと、元々の速度に戻すまで1週間くらいはかかりました。


7.おわりに

今回は僕がブラインドタッチを習得した時にどんな練習をしたか、ということを思い出しながら書きました。

当時は「ホームポジション」と「各指の担当するキー」の2点の情報からなんとなく練習して覚えましたが、その際にやっていた事などを追加して今回の記事にしました。

入力ミスについてはブラインドタッチを習得してから、何年も毎日キーボード入力していますが今でも普通にあります。
それでも1字間違ったらすぐ削除→再入力をすぐに行うので、そんなに遅くは無いです。

入力・削除・再入力の繰り返し含めて速くすれば、結果的に入力速度は速くできます。
ただ30歳過ぎあたりから特に入力ミスが増えたので、20代にくらべて入力ミスが増えた分遅くはなっていますがそれでもまだ僕は参画した現場では作業速度が速いと言われる方なので、若いうちに習得したことは年をとっても役に立つようです。

IT業界に長年いていろんな人を見てきましたが、トップスピードだけでみれば僕より早い人は山のようにいました。これは「ブラインドタッチが出来ることによるメリット」で書いたことと重複する部分もありますが、僕の作業速度が速いといわれた所以は以下の2点です。

(1)ショートカットキーの活用
(2)1日中入力してても速度があまり変わらない(平均入力速度にばらつきが無い)

【(1)ショートカットキーの活用】
コピペ(Ctrl+「C」キー or 「V」キー)のようなWindowsの代表的なショートカットキーではなく、マウスを出来るだけ使わないようにすることを目指して覚えたショートカットキーの活用です。

便利なのにSEでも意外と知らないショートカットキーは意外と多いので、ネット検索だけでなく、ソフトウェアに付属のヘルプなどを確認してそのソフトにはどんなショートカットキーがあるのかを見て使えそうなものを活用していました。

新人の頃は、出来ない事の方が多いので容易に習得出来る割に効果の高いことを身に着けると良いです。ブラインドタッチは習得が用意な割に効果が高いスキルの一つです。
なので文字入力のブラインドタッチを習得したら、作業効率が上がって残業が減らせたりして多少時間に余裕ができます。その余裕の時間にまた勉強するとより効率が上がります。
文字入力のブラインドタッチ習得後のオススメの一つとして、ブラインドタッチのまま使用出来るショートカットキーを増やしていくと良いと思います。

【(2)入力速度の安定化について】
これについては主観に基づく感想レベルの話なのですが、入力になれてきて、平均入力速度が一定、平均入力速度を早くするのに必要なのはリズムだと思います。

ピアノをやっていた人は、タイピング速度が速くなるまでも早いし、入力も安定する傾向にあるのは単純に鍵盤で慣れているからもあると思いますが、リズム感も影響していると考えています。

僕の場合は、学生時代ビートマニア(音ゲー)をやっていたので、1日中入力作業していて作業にノってくるとビートマニアをやっていた時の爽快感に近いものを感じます。

最後に、ある程度入力できるようになったら、日々の業務で毎日入力するので意図的に練習する必要はなくなります。
そもそもタイピング速度は日本一早くなる必要がなくて、そこそこ早ければ十分です。
ある程度まで早くなったら、入力速度を上げる練習をするよりもほかのスキルの習得に時間を割り振ったほうが効果が高いです。

以上です。
宜しくお願い致します。