いつもお世話になっております。
RfromL.comです。
今回はIT業界内でどの現場にいっても役に立つ「IT業界内ポータブルスキル」についてです。
入社1年目から現在まで様々な現場に参画した経験から、入社1年目の自分に教えられたら良かったなと思ういろんな現場で役に立ったスキルについてまとめてみました。
CONTENTS
1.はじめに
2.習得のメリット・デメリット
2-1.メリット
2-2.デメリット
3.スキル一覧
3-1.操作系
3-2.言語・コマンド系
3-3.フリーソフト系
4.おわりに
1.はじめに
まずは今回の記事タイトルにある「IT業界内ポータブルスキル」について定義します。
意味としてはIT業界内のどの現場にいっても役に立つスキルをここでは「IT業界内ポータブルスキル」と呼称します。(僕が勝手に言っているだけなので、こんな言葉は実際にはありませんが。)
本来ポータブルスキルとは「持ち運び可能(ポータブル)なスキル」ということから、「業種や職種が変わっても”持ち運び可能な能力”」を意味します。
逆に「特定の会社や業種、職種でしか活用できない知識やスキル」はアンポータブルスキルとされるので、IT業界内に限定されている時点でアンポータブルスキルに該当しますが「IT業界内のどんな現場にも持ち運び可能(ポータブル)なスキル」という意味合いで使っています。
また、今回の投稿内容は「IT業界内」としてはいますが、今の時代は多くの業界がパソコンを使います。使いようによっては本来のポータブルスキルになりえますので結局習得して損は無いスキルです。
当ブログで過去に取り上げたことのないものもありますが、今後は個別で詳細に記載した記事を投稿したいと考えています。
2.習得のメリット・デメリット
2-1.メリット
- 初めて入った現場でも操作に手間取らない
これは良く使うツールに慣れておくことで得られるメリットです。 - 精度が上がる
shellやExcel関数は手作業でやってることを一部自動化することで、作業効率にも影響しますが、単純に人の手でやるより機械でやった方が間違いが少ないので精度が上がります。 - 作業効率があがる
ショートカットキーなどは操作の速度を大幅に上げてくれます。また一個前のメリット「精度が上がる」によって作業の手戻りや、修正が減るのでそれによって効率も上がります。 - 習得が容易な割に効果は高い
基本的に学習不要で、知るだけ(覚えるだけ)で扱えるスキルなので習得は容易です。
その割に上記3つのメリットが得られるのでコスパがいいです。
2-2.デメリット
- 面接や面談でアピールできるようなスキルではない
どうしても実務作業特化のスキルが大半です。
大げさに言うと「パソコンでの作業が凄く得意です。」程度の表現しかできないスキルなので面接や面談での自己アピールには使えないです。 - あくまで作業員としてのスキル
若いうちはいいですが、IT業界では年次を重ねていくうちに業務知識、基本設計などの上流工程がが出来る事など専門的なスキルが重視されてくるので、「IT業界内ポータブルスキル」だけでずっとやっていくのは難しいです。
3.スキル一覧
3-1.操作系
- ブラインドタッチ
★オススメ度:中★
キーボードを見ないで、キーボード操作をするスキルです。
これが出来ると作業速度が速くなる。
というよりは、ショートカットキーなどと組み合わせることで早くなります。
関連記事:ブラインドタッチ(タッチタイピング)を1日で習得する方法 - メモ帖(テキストエディタ)によるメモの活用
★オススメ度:低★
これに関しては、別で記事を書こうと思っているのですがテキストベースの情報全てを1ファイルにまとめたテキストメモを作成すると、情報の再利用がしやすくて便利です。
記事を投稿しました⇒「【Windows】パソコン上でのメモを1ファイルにまとめて管理する考え方・記述方法」
例えば、「memo.txt」というテキストファイルをデスクトップ上に一個作っておきます。
Unix系OS上で使用したコマンドは作業ログとして全部「memo.txt」に追記しておきます。
用語などの業務知識関係のメモも全部「memo.txt」に追記しておきます。
使用したSQL文なども全部「memo.txt」に追記しておきます。
今日は何時に出勤して、これから帰る時も出退勤時間を「memo.txt」に追記しておきます。
つまり思いつく限りのテキストベースの情報を全て「memo.txt」の1ファイルに残しておきます。
すると前に使ったあれまた使いたい、あの用語どういう意味だったっけという時。
全部「memo.txt」の中を検索すれば済みます。
全部を「memo.txt」にまとめる理由としては、情報ごとにファイルを分けたりすると、あの情報どこのフォルダに置いたっけ、どのファイルだっけみたいな感じで情報があっちこっちいきやすくなるので僕個人としては「memo.txt」(ファイル名はなんでもいいです。)ファイル一個で管理するというやり方です。
図や画像を使ってしっかりまとめなければいけない情報だけは、「memo.txt」から該当箇所の情報をコピーして別のエクセルファイルを作成してまとめます。
ただ、このメモ方法に関しては、考え方の合わない方もいそうなので、オススメ度は低にしました。 - Windowsショートカットキー
★オススメ度:中★
以下が代表的かなと思うショートカットキーです。
ブラインドタッチの項でも記載しましたが、ブラインドタッチと組み合わせて使うと、作業速度を上げるのにより効果的です。- Ctrl+C コピー
- Ctrl+V ペースト(貼り付け)
- Ctrl+Y やり直し
- Ctrl+Z 戻る
- Windows + E 新規エクスプローラー
- Ctrl+N 新規ウィンドウ、新規エクスプローラー
- Alt+F4 ウィンドウを閉じる、Windowsのシャットダウン
- Excel操作(Googleスプレッドシートも)
★オススメ度:高★
IT現場でのExcel使用率は異常なほど高いです。資料作成はほぼこれ。Wordも確かに使いますが、圧倒的にExcelです。
オススメ度は高ですが、正直必須です。
3-2.言語・コマンド系
- Excel関数
★オススメ度:高★
調査、集計、検証いろんな作業の一部自動化ができます。- IF
- SUM
- COUNT
- COUNTIF
- VLOOKUP
- MATCH
- Windows標準アプリ
★オススメ度:低★
ITの業務では使わない人も多いかなという印象ですが、僕としては良く使うので便利だと考えています。
WindowsOSなら標準で使えるので、どの現場に行っても使えるし。- ペイント
- snippingtool
- 切り取り&スケッチ
ペイント~切り取り&スケッチまでの3アプリは、プログラムのテストを行う際、結果のエビデンスにスクリーンショットを使用する時に重宝します。
エクセル上でも画像や図は編集できますが、スクリーンショットだと画面全部撮ってしまうので、切り取りしてからの方が早いです。
関連記事:写真をペイントでブログ用に編集
- calc
プログラマ電卓というのがあるので使う人は使うかな。HEXとか。
僕は単純に電卓出すのが面倒だから単純計算する時につかってますが。
- Windowsコマンド
★オススメ度 高★(というか必須)
以下のコマンドのうちヘルプを見られるコマンドである「help」コマンドで、どんなコマンドがあるか1回みといて、使いそうなコマンドを試しで使ってみるところから始めるといいです。
いくつかコマンド書いてますがこれはほんとに最低限です。
他にも使うコマンドはたくさんありますが、全部のコマンドの詳細を覚えるのは大変なので、あのコマンドどう使うんだっけって時もhelpコマンド、または各コマンドの詳細ヘルプを見る「/?」オプションで確認します。- helpコマンド
- dirコマンド
- cdコマンド
- cpコマンド
- moveコマンド
- delコマンド
- compコマンド
- Treeコマンド
- バッチスクリプト
★オススメ度 中★
WindowsOSなら標準で使えるスクリプトで、Windowsコマンドをファイルにまとめて一括処理させることができます。
なにかちょっとしたファイル編集とかにも使えて便利です。
ITの現場で作業端末は基本Windowsマシンなので、環境を用意する必要もないし家に居る時も「あー今現場でやってる作業、こういうツールあったらいいかな」と思った時に自宅パソコンで雑にスクリプト作って試せます。
なによりも気軽さがバッチスクリプトの良さはかなと思ってます。
いまどきバッチスクリプト?なんて思うかもですが、簡易的な個人用ツールなら何で書いてもいいと考えています。 - VBScript
★オススメ度 中★
バッチスクリプトと同じでWindowsOSは標準で使えるスクリプトです。
バッチスクリプトより細かい処理を行えます。
個人的にはバッチスクリプトと合わせて使う事が多いかなという印象。 - Unixコマンド
★オススメ度 高★
WindowsコマンドのUnix系OS版。
オススメ度を高にしていますが、Unix系OSの現場なら必須です。
WIndowsコマンドの時と同様、ヘルプを見られるコマンドである「man」コマンドで、どんなコマンドがあるか1回みといて、使いそうなコマンドを試しで使ってみるところから始めるといいです。
あと基本操作ではないですが、grepコマンドは使用頻度が高いのでこれも使えるようになっておくといいです。- manコマンド
- lsコマンド
- cdコマンド
- grepコマンド
- Shell
★オススメ度 MAX★
WindowsOSで使うバッチスクリプトのUnix系OS版みたいなもの。
実際に業務システムでも処理に使いますが、開発環境で自分用のツールを作ったりできるのでUnix系OSの現場は、これが使えるとすっごい便利です。
C-shell、Bash色々あり、細かく言えば違いはありますが、概ね方言程度の違いなのでひとつ使えればどのshellもだいたい使えます。
最近はWindowsパソコンでも割と簡単にshellを使える環境を用意できるので、自宅パソコンで使えるようにして使用方法に慣れておくといいです。
あと、MacOSなら標準でbashが使えます。
MacOS標準で使えるシェルがzshに変わるみたいな情報もみたけど、やっぱりshellはshellなのでそこまで気にしなくてもいいです。 - SQL
★オススメ度 MAX★
データベースを操作する為の言語。
どんな業務システムでも必ずと言っていいほど使っているデータベースですが、配属のチームがデータベースをさわれるチームでない場合というのもあります。
SQL自体がデータを調査したりするのにすごい便利なので、データベースを触れるチームの方が個人的には楽です。
データベースにもいくつか種類があり、SQL文もそれぞれに違いがありますが、これもshell同様、方言程度の違いというとちょっと不正確が過ぎるかもしれませんがSelect、Insert、Delete、Updateのような基本操作はほぼ同じです。
また、どれか一個のデータベースでもSQL文が使えれば、他のデータベースでのSQL文の理解も早いです。
SQLserverもOracleも個人なら無償で使えるEditionも存在するので、自宅パソコンに学習環境を用意するのも簡単です。 - 正規表現
★オススメ度:低★
文字列に対して、パターンマッチで文字列情報を抽出する方法の名称。
特定の法則に一致した文字列情報を消したい、変更したい時に使います。
これに関しては習得が容易とは言えないかなぁということでオススメ度を低にしてます。
ただ、作業速度、効率、精度を上げてくれるスキルなので簡単に習得できるならオススメ度は高です。
3-3.フリーソフト系
どこの現場でも使用頻度の高いツールソフトの使用方法は慣れておいて損はないです。
フリーソフトなので、自宅でもダウンロードして使用できるのでお金もかからず仕事に関わるツールの使い方に慣れておくことが出来ます。
- DF
ファイル内容の比較ソフトです。
ファイルを出力するようなプログラムの実行結果検証に良く用いられます。
また、プログラムを修正する際に修正前後のソースコード比較に使うこともあります。 - サクラエディタ
高機能エディタの一つです。
高機能エディタは色々種類ありますが、これはどこの現場でも使えました。
関連記事
①サクラエディタのインストール手順
②サクラエディタのおすすめ設定 - TeraTerm
Windows用のターミナルクライアントソフト。
サーバなど別のマシンにリモートで接続してコマンド操作を行う時に使用します。
サーバがLinuxなどのUnix系OSを使っている現場はほぼ確実にこのソフトを使っていました。 - FFFTP
FTPによるファイル転送をGUIで操作できるようにしたクライアントソフトです。
昔は割と使ってる現場ありましたが、最近は減ってきたかも。 - Win-SCP
FFFTPとほぼ同じです。
SCP、SFTPに対応しているので最近はこっちを使ってる現場に当たることが多かったです。
4.おわりに
専門的で高度なスキルでなければ役に立たないかというとそうでもありません。
ここで紹介した内容は、どれもスキルと呼んでいいのかわからない程度の大したことのないスキルです。ですが大したことのないスキルでもたくさん使えるようにすることで作業効率を上げる「スキル群」となります。
この「スキル群」プラスαで専門的なスキルを身に着ければ業務にもっと役立てるようになると思います。
デメリットのひとつ「あくまで作業員としてのスキル」でも書いた通り、年次を重ねるうちに求められる技術レベルは上がっていきます。
今回の記事で書いたスキル群はどれも作業員レベルでは有効なので若いうちはいいですが、結局は自己学習で専門スキルを身に着けていく必要があります。
紹介したスキルはどれも習得とも呼べない知っていれば使える程度のスキルなので、早いうちに覚えて作業効率を上げ、効率が上がったことで空いた時間をもっと専門的なスキルを学習する時間に充てて将来に備えます。
空いた時間で学習する内容は何もITに関連したもので無くても良いです。
今回の記事内容と話は逸れますが、自分がSEという職種に「適正が無い」という可能性はあることを考慮する必要があると考えています。
特に根拠となるデータの無い僕個人の考えですが社会全体的に「適正が無い」ということを甘く考えすぎている気がします。「石の上にも三年」ということわざがある通り、適正が無かったとしても進歩はするのである程度までは出来るようになりますが、ある程度の進歩というのもひとそれぞれで、比較的低いレベルで進歩が止まってしまう人も居ます。
そのまま年次を重ねて、新しいことに取り組む活力を失ってから別の道を模索するのは大変です。
つまり、現在の職種に「適正があるか」「適正が無いか」は分かるまで多少の時間を要するので、その間にIT以外の分野についても何か学習したり、調べたりしておくと「適正が無かった」時の保険になります。
以上です。
宜しくお願い致します。